乾先生との突然のお別れから1週間がたちました。
思い半ばで突然の死に乾先生も大変悔しいだろうと思います。
また、奥様、スタッフの皆さまのことを思うと言葉がありません。
そして、乾先生に診ていただいておられた皆さまのことを思うと悲しみと不安がいっぱいであるとお察し致します。
乾先生は、福島県産婦人科医会や医師会等にもあまり顔を出されないので10年以上お話をする機会がありませんでした。
ただ、10年以上前に心に残っている乾先生のお話として、
「母校の医局で研究のやり残しがあり、自分は専門が婦人科腫瘍学なので、開業するとそれができなくなることがうらい。阿部先生も専門が婦人科腫瘍学だからわかるだろう。婦人科腫瘍学は研究として続けられないけれど、生殖医学は開業しても自分の研究施設を持てば自分の研究が臨床にも応用できるから研究施設を作ったんだ」
とお話しされていました。そのことが大変印象深いお話です。
先週は乾先生に通院されていたたくさんの方からお問い合わせをいただき、受診いただきました。
僕の方針として以下のことを考え、当院スタッフに了解を得ました。
・乾先生通院中の皆さま方からお問い合わせの場合、乾先生のスタッフの皆さまも混乱されているだろうから、
紹介状、診療情報提供書は無くても大丈夫。もし、乾先生から頂いた検査結果があるのであれば持ってきていただく。もしなければ必要としない。
・当院を初診の方も、当院に通院歴のある方も当院受診希望があれば心配なさらず、受診していただく。ただ、その場合、当院のキャパシティもあり、まず受診の予約を電話で入れていただく。
・不妊治療にかかわらず、婦人科一般、子宮頸がん検診およびそのフォロー、妊婦健診(寿泉堂綜合病院へのセミオープンシステム、実家へのさ里帰りされるまでの妊婦健診)すべて。
・ひとつだけ困ったことは乾先生にお預けになっている凍結胚に関しては保管、移動の問題があり、どうしたものか苦慮中なので乾先生のスタッフの方々との意見を聞きたいと思いますが皆さま同様連絡を取ることが難しいため、もう少し時間を頂く。
たくさん、不安なことばかりだとは思いますが心を切り替えて、一歩ずつ前に進んでいきましょう。はやく、皆さまが笑顔になること、それが乾先生に対しての供養だと思います。
乾先生のご冥福をお祈りいたします。
合掌
2019年1月19日
医療法人 あべウイメンズクリニック
理事長 阿部 州雄