4月16日
震災後、一か月が過ぎ、毎日、「先生、妊娠したみたい」と患者さんが何人かお見えになります。地震や原発問題で皆さん不安で大変でしょうけど「新しい命」を授かった喜びで、ニコニコしています。思わず、僕もスタッフもニコニコしてしまいます。本当に患者さんから勇気と元気をもらっています。
原発問題で郡山の小学校では入学辞退者や転校している人がいるそうです。当院に通院中の妊婦さんも北は八戸から南は福岡まで避難されている方がいらっしゃいます。みなさん、放射線が心配で避難しているのでしょう。
先日、患者さんに「先生、どこにも行かないでね」と言われました。また、別な患者さんには「先生、やめないでね」と言われました。本当に「医師冥利」につきます。お一人でも僕を必要としてくれている方がいる限り、「どこにも行かないし、やめないよ」
福島県は原発問題のため、岩手県や宮城県と違い、まだ、復興へのスタートラインに立てないでいます。郡山は福島県の商都です。郡山市民が立ち上がらなければ福島県はいつまでたっても復興へのスタートラインには立てません。早くみんな戻って来ないかな・・・。
郡山では桜が咲き始めました。開成山公園はそろそろ桜が見ごろです。開成山公園は安積開拓のシンボルです。安積開拓者の精神を思い、新しい郡山を作っていきたいと思います。
クリニックの木々も新しい芽を付け始めました。まるで、「先生、妊娠したみたい」と言って来院してくれた皆さんをお祝いしているようです。