tracker Q&A - 医療法人あべウイメンズクリニック

あべウイメンズクリニック:福島県郡山市【不妊治療・妊婦健診・がん検診・その他婦人科、病気かなと思ったらすぐにご相談ください。】

あべウイメンズクリニック

コラム

妊娠中にインフルエンザワクチンの予防接種をしても良いですか?

大丈夫、可能です。

皆さまから、「妊娠中にインフルエンザワクチンの予防接種をしても良いか」とよく質問を受けます。結論は大丈夫、妊娠中は妊娠全期間を通じてインフルエンザワクチン予防接種可能です。2004年、米国疾病予防局(CDC)ガイドラインでは接種対象の改定を行い、「妊婦は妊娠初期を含むすべてが接種の対象」としています。また2017年、日本産科婦人科学会の診療ガイドライン産科編でも「妊婦へのインフルエンザワクチン接種はインフルエンザの重症化予防に最も有効であり、母体および胎児への危険性は妊娠全期間を通じてきわめて低いとし、希望する妊婦・褥婦には接種する」としています。日本で使用されているインフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」であり、妊婦への接種は禁忌とされ妊婦や胎児への安全性も確立されていない、風疹ワクチンや麻疹ワクチンなどの「生ワクチン」とは違い、妊婦や胎児に影響を与えることなく、ワクチン接種を行うことが可能です。「妊娠中はインフルエンザにかかり易く、症状が悪化しやすい」と言われています。インフルエンザに感染しないためには予防として手洗い・うがい、人混みを避ける、休養と栄養が必要であり、感染拡大の予防として咳エチケット、マスクの着用が大切です。インフルエンザワクチンの予防接種をするかどうかは、かかりつけ医師の考えもありますから、ご相談してください。

卵子のお話し

卵子は何歳まで作られるの?

初潮後、原始卵胞は約25年間でなくなります。

卵子は女の子がお母さんのおなかの中にいる時、妊娠20週頃までに卵子のもととなる原始卵胞が約700万個作られます。出生時にはその原始卵胞は約200万個まで減少してしまいます。つまり、女の子が生まれた時にはすでに一生分の卵子が卵巣の中に用意され、その後、新たに作られることはありません。その原子卵胞は初潮を迎えた時に約30万個まで減少しています。排卵は約30万個の原始卵胞からスタートします。初潮後、原子卵胞は毎月約1,000個ずつ、減少していきます。単純に計算すると約30万個の原始卵胞は1年間で12,000個無くなり、約25年間で無くなってしまうことになります。その内、実際に排卵するのは毎月およそ1個のみ多くても2個位です。一生でも約400個しか排卵に至らず、卵子の99.9%使われずに終わってしまいます。

卵子の老化ってなあに?

卵子の老化は数が減り質が悪くなることです。

卵子の老化とは卵子の「数が減ってしまうこと」、「質が悪くなること」を意味します。卵子は体の一部です。お肌や体の臓器と同じように、次第に老化が進み、いろいろな刺激に対し、ダメージを受けやすくなります。卵子は他の体の部分よりも老化が早く、寿命が短い細胞です。単に「数が減ってしまう」だけではなく、一つ一つの「質が悪く」なってしまいます。高齢になれば、受けるダメージはさらに増え、蓄積されていきます・・・。と、いうことは排卵しても正常に成長することが難しく、受精ができなかったり、着床ができなかったり、妊娠したとしても流産したりするケースが多くなります。

卵巣の年齢がわかるって最近聞くけど…なあに?

卵巣の年齢とは予備能力を知ること。AMHを血液検査でしらべます。

最近、「卵巣の年齢が知りたい」と言われる方がいらっしゃいます。原始卵胞は毎月約1,000個ずつ、減っていきます。原子卵胞から卵子を目覚めさせる過程を抑制する働きとして重要なホルモンが「AMH」です。「AMH」は年齢が若い卵巣からは十分に分必され、原子卵胞を目覚めさせ過ぎないように働いています。加齢により、「AMH」の分泌が減ってしまうことは卵子の減少を加速させてしまいます。「AMH」は卵巣に残された卵子の数が多いと高くなり、少ないと低くなると言われています。この「AMH」の値を調べることが「卵巣の予備能力を知ること = 卵巣の年齢」となるのです。尚、「AMH」は血液検査で調べることができます。
挙児希望があるご夫婦は、二人だけの生活をenjoyするのも良いとは思いますが、一日でも早く妊娠することが望ましいと思います。

不妊治療を始めるタイミングは?

「あれ?なんで妊娠しないのかな?」と思った時です

日本産科婦人科学会によれば不妊症とは「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合。その一定期間については1年というのが一般的である」としています。1年間とは言うけれど年齢、体格、体質、生活環境など様々な因子がお一人お一人違います。「あれ?なんで妊娠しないのかな?」と思った時が不妊治療を始めるタイミングだと思います。不妊治療の一歩は超音波検査による子宮や卵巣の状態確認、不妊治療担当医が施行する子宮卵管造影検査による卵管疎通性の確認、胚培養士によるWHO下限基準に照らし合わせた精液検査など物理的な検査となります。

最近、おりもの(以下、帯下)が多く困っています。何か、病気でしょうか?

生理的なものと病的なものがあります

帯下には生理的なものと病的なものがあり、後者が治療対象となります。まず、原因を検査し、それに応じた治療を行います。原因には感染性の帯下と非感染性帯下があり、感染性帯下には膣炎、子宮頸管炎などがあります。膣炎で最も代表的なものは膣カンジダ症、膣トリコモナス症、細菌性膣症です。膣カンジダ症はヨーグルト状の帯下で掻痒感が強く、膣トリコモナス症では帯下感が強く淡膿性・泡沫状の帯下を伴います。子宮頸管炎が原因によるものにはクラミジアと淋菌があり、粘調性の帯下が特徴です。また、細菌性膣症は軽い帯下感が症状となります。非感染性帯下では癌性帯下として子宮頸癌や子宮体癌などがあり、少量の出血を伴うことがあります。更年期以後にみられる萎縮性膣炎では帯下感が少なく、時に少量の出血を伴います。また、妊娠性、心因性などが原因で帯下が増加することもあります。

片頭痛の時の症状について教えてください。

自分の頭痛の原因が何かを知ることが大切です

頭痛でお悩みの方はおおぜいいらっしゃると思います。その中で片頭痛の方は全国に840万人もいると言われています。片頭痛は女性に多い疾患で全女性の約13%にみられます。特に30~40歳代に多く、症状の特徴として(1)片側性で拍動を伴う、(2)日常的な動作により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける、(3)頭痛に伴い吐き気がしたり、吐いてしまう、(4)頭痛に伴い日常気にならない光がまぶしく感じたり、臭いに過敏になったりするなどがあります。頭痛にはその他、緊張型頭痛、群発頭痛や外傷による頭痛、脳血管障害による頭痛、感染症による頭痛などがあります。自分の頭痛の原因が何かを知ることが大切です。

月経前症候群(Premenstrual syndrome : PMS)

それぞれの症状に応じて臨機応変に治療を行います

月経前になるとイライラする、怒りっぽくなる、眠気が強くなる、無気力になる、集中力が低下する、また、そんな自分がイヤになるなどの精神的症状や、下腹部の痛み、乳房の張りや痛み、頭痛、腰痛、下痢などの身体的な症状がみられ、それらの症状が強く、悩むようなことはありませんか。これらは月経前症候群と呼ばれ、月経前3~10日の間に症状が出現し、月経発来とともに減退ないし消失します。黄体ホルモンの働きが症状の発現に関与しているのではないかと言われていますが、まだ詳しいことはわかっていません。その治療はそれぞれの症状に応じて臨機応変に行うこととなります。このような症状でお悩みの方は医師にご相談ください。

子宮筋腫とはどのような病気ですか。

成人女性の4人に1人の割合であるといわれています

子宮筋腫は子宮の筋層にできる「良性」の腫瘍で、成人女性の4人に1人の割合であるといわれています。原因はエストロゲンという女性ホルモンが関与していると言われています。成熟期の女性で増大し閉経後、徐々に縮小します。筋腫は人によりできる位置、大きさ、数が異なるため症状の強い人もいれば無症状の人もいます。症状として月経痛が強い、月経時の出血が多いなどがあります。出血が多いと貧血症状が見られることもあります。子宮の内腔にできると受精卵の着床を妨げることもあり不妊の原因になります。症状が無い場合、治療の必要はありませんが症状がある場合、症状や位置、大きさ、年齢、その人の背景などにより治療法が変わります。

医師に子宮内膜症といわれました。どのような病気ですか?

良性ですが進行性の病気です

子宮内膜症は本来、子宮の内腔にしか無いはずの子宮内膜という組織がまったく別の場所に存在し増殖していく、良性ですが進行性の病気です。症状として(1)以前より生理痛が増強している、(2)生理の際の排便痛、下痢や軟便、(3)性交時の痛みなどがあります。世界中の研究者たちが原因について研究していますが残念ながら解明されていないことも多いのが実情です。医師は患者さんごとにその症状を軽減するため、薬物、手術など最適な治療法を考え、治療を行いますが患者さんも子宮内膜症に対する正しい知識を持ち、信頼できる医師とともに治療を行うことが大切です。

子宮頸がん検診について教えてください

早期発見が大切です

婦人科医が日ごろ関わる悪性腫瘍の頻度の高いものには子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんがあります。子宮頸がんはHPV(human papilloma virus)の感染が発ガンの過程に重要な役割を果たしていることが解明されてきました。性行為感染症に罹患している可能性のある女性、その既往のある女性はそのリスクを負っている可能性があります。HPVに感染すると数年で上皮内がん、10年前後で進行がんになることもあります。最近では、若年者の子宮頸がん患者さんも増加しています。内診、超音波検査をすることで子宮体がんや卵巣がんを推定することもできます。早期発見が大切です。恥ずかしがらずに婦人科を受診してみてください。

月経痛がひどいのですが原因や治療法を教えてください。

機能性月経痛と器質性月経痛に分けられます

月経痛は月経を有する女性の約50%~70%に認められ、産婦人科外来の中でも頻度の高い訴えのひとつであります。骨盤病変の有無により(1)機能性月経痛と(2)器質性月経痛に分けられます。

(1)機能性月経痛

機能性月経痛は子宮を収縮させる作用を持つプロスタグランディンという痛みをおこす物質が増加するためにおきると言われています。痛みは月経が始まる数時間前もしくは直後より出現し2~3日続きます。恥骨上部のけいれんを伴う周期的な痛みで、腰から仙骨にかけての痛みや大腿への放散痛を伴うこともあります。頭痛、悪心、嘔吐、下痢を伴うこともあります。治療法は月経開始前からの消炎鎮痛剤、副交感神経遮断薬の内服、漢方薬の内服、ピルの内服、抗不安薬の内服を行います。それでも改善しない場合手術を行うこともあります。

(2)器質性月経痛

器質性月経痛は子宮内膜症や子宮筋腫などの骨盤内の病変によりおこり、月経開始1~2週間前から月経終了まで及ぶ持続性の痛みです。治療は原疾患の治療とともに機能薬剤による痛みのコントロールを行います。

カンジダ膣外陰炎について教えてください。

免疫力が低下している状態の時に発症しやすくなります

外陰部のかゆみ、痛み(痛がゆい)、ヨーグルト様・酒かす様のおりもの、外陰部の発赤などの症状があることはありませんか。膣外陰炎にはいろいろな原因があり、症状もさまざまですがこのような症状はカンジダ膣外陰炎の特徴的な症状です。カンジダは身体各部位の常在菌叢の1菌種ですが体力の低下、抗生物質の使用、妊娠、糖尿病など、免疫力低下をきたす状態で症状は発症しやすくなります。的確な治療を行うことで症状は改善します。このような症状でお悩みの方は医師にご相談ください。

不妊治療について教えてください

ひとりで悩まずにご相談ください

最近、不妊治療=体外受精と思われがちですが実際には排卵のタイミングを見きわめることで妊娠する場合がほとんどです。不妊治療における基本は不妊原因の特定であり、より詳細な原因の診断とその程度、治療予後に基づいた症例の個別化が必要となります。その上で的を得た治療方針が立てられることとなります。不妊の原因には(1)排卵因子、(2)卵管因子(骨盤内の癒着を含む)、(3)着床因子、(4)頸管因子、(5)男性因子に大別することができます。それら原因によりタイミング法、排卵誘発、人工授精、体外受精-胚移植、顕微授精などの治療方法が選択されます。まずは、ひとりで悩まず、医師にご相談ください。