卵子は女の子がお母さんのおなかの中にいる時、妊娠20週頃までに卵子のもととなる原始卵胞が約700万個作られます。出生時にはその原始卵胞は約200万個まで減少してしまいます。つまり、女の子が生まれた時にはすでに一生分の卵子が卵巣の中に用意され、その後、新たに作られることはありません。その原子卵胞は初潮を迎えた時に約30万個まで減少しています。排卵は約30万個の原始卵胞からスタートします。初潮後、原子卵胞は毎月約1,000個ずつ、減少していきます。単純に計算すると約30万個の原始卵胞は1年間で12,000個無くなり、約25年間で無くなってしまうことになります。その内、実際に排卵するのは毎月およそ1個のみ多くても2個位です。一生でも約400個しか排卵に至らず、卵子の99.9%使われずに終わってしまいます。
卵子の老化とは卵子の「数が減ってしまうこと」、「質が悪くなること」を意味します。卵子は体の一部です。お肌や体の臓器と同じように、次第に老化が進み、いろいろな刺激に対し、ダメージを受けやすくなります。卵子は他の体の部分よりも老化が早く、寿命が短い細胞です。単に「数が減ってしまう」だけではなく、一つ一つの「質が悪く」なってしまいます。高齢になれば、受けるダメージはさらに増え、蓄積されていきます・・・。と、いうことは排卵しても正常に成長することが難しく、受精ができなかったり、着床ができなかったり、妊娠したとしても流産したりするケースが多くなります。
最近、「卵巣の年齢が知りたい」と言われる方がいらっしゃいます。原始卵胞は毎月約1,000個ずつ、減っていきます。原子卵胞から卵子を目覚めさせる過程を抑制する働きとして重要なホルモンが「AMH」です。「AMH」は年齢が若い卵巣からは十分に分必され、原子卵胞を目覚めさせ過ぎないように働いています。加齢により、「AMH」の分泌が減ってしまうことは卵子の減少を加速させてしまいます。「AMH」は卵巣に残された卵子の数が多いと高くなり、少ないと低くなると言われています。この「AMH」の値を調べることが「卵巣の予備能力を知ること = 卵巣の年齢」となるのです。尚、「AMH」は血液検査で調べることができます。
挙児希望があるご夫婦は、二人だけの生活をenjoyするのも良いとは思いますが、一日でも早く妊娠することが望ましいと思います。