3月12日
あれから、3年がたちました。
昨年も一昨年も書きましたが皆さまにとって、あっという間の3年間でしたか?それとも、すごく長い3年間でしたか?
僕にとってはすごく長い、長い3年間でした。
震災後、約4,500人もの新患の患者さんとの出会いがありました。
通院されている皆さまを考えてみますと震災後、県内外に避難されていて戻ってこられた方々も、転勤で福島にいらっしゃっている方々も、昨年よりも多くなっていると思います。しかし、震災前のように「人」が戻るにはまだまだなのかなと言うのが実感です。皆さまからも、眼に見えない敵の話は出なくなっていますがしかし、僕も含め皆さまの心の奥底にはまだまだ「敵」が残っているのではないでしょうか?放射線と言う眼には見えない敵もそうですが心の奥底に潜む眼に見えない本当の敵に打ち勝つことができなければ福島の復興はあり得ないと思います。
先の大河ドラマで八重さんが「んだけんじょ、恨みを支えに生きていては前に進めねぇ・・」と言っていました。
また、僕の愛読雑誌「致知」3月号に「自分の城を自分で守るのはこの世に生を得た人すべてにとって必須の姿勢であり、課題であろう」と書いてありました。
誇り高き福島県民は「プライド」と「モラル」を捨てることなく、毅然と復興に向かって、少しずつでも進んでいくべきではないでしょうか?
昨年の3月12日から昨日まで僕の放射線積算量は888μSv/年、約0.89mSv/年でした。約10日間くらいは県外に出かけましたが大部分は郡山で過ごしていました。一昨年の3月12日から昨年の3月11日まで僕の放射線積算量は1149μSv/年、約1.1μSv/年でした。一昨年からの1年間と比べ確実に放射線積算量は減ってきています。約0.89mSv/年は国の定める基準は下回っていると思います。一昨年の今頃の時期、僕の1日放射線量は3.5μSv/日、昨年は2.6μSv/日、今年は2.2μSv/日でした。
昨日、3月11日、震災の時、お一人目を妊娠されたばかりで、余震続く中、原発事故で避難される方が多い中、避難されず、秋にお一人目を出産され、昨年にも二人目を出産された方が「また、妊娠したよ」とニコニコ来院されました。
最近は不妊治療されている方も含め、いろいろな意味で妊娠されている方が多い様に思います。
福島の復興は非常に長い年月はかかると思いますが「人」、「新しい命」が担ってくれると思います。
先日は記録的な大雪が降りました。雪かきが大変でしたが雪かきで僕の背の高さまであったクリニック駐車場の雪もすっかり解けました。
福島も雪解けが進み、いろいろな意味で少しずつ、少しずつ春が近づいてくれることを願います。