あべウイメンズクリニック:福島県郡山市【不妊治療・妊婦健診・がん検診・その他婦人科、病気かなと思ったらすぐにご相談ください。】

あべウイメンズクリニック

コラム

《 卵子のお話し 》

12月20日


当院 Facebookページより

《 卵子のお話し 》

~ 卵子は何歳まで作られるの? ~

卵子は女の子がお母さんのおなかの中にいる時、胎児期に妊娠20週頃までに約700万個、卵子のもととなる原子卵胞が作られます。
出生時にはその原子卵胞は約200万個まで減少してしまいます。
つまり、女の子が生まれた時にはすでに一生分の卵子が卵巣の中に用意され、その後、新たに作られることはありません。

その原子卵胞は初潮を迎えた時に約30万個まで減少しています。排卵は約30万個の原子卵胞からスタートします。
毎月、約1000個ずつ、原子卵胞は減少していきます。単純に計算すると約30万個の原子卵胞は1年間で12000個無くなり、初潮後、約25年間で無くなってしまうことになります。
その内、実際に排卵するのは毎月およそ1個のみ、多くても2個位です。一生でも約400個しか排卵に至らず、卵子の99.9%使われずに終わってしまいます。

~ 卵子の老化ってなあに? ~

卵子の老化とは卵子の「数が減ってしまうこと」、「質が悪くなること」を意味します。
卵子は体の一部です。お肌や体の臓器と同じように年をとると若い時のようなピチピチした状態ではなくなり、いろいろな刺激により、ダメージを受けやすくなります。
卵子は 他の体の部分よりも老化が早く、寿命が短い細胞です。単に「数が減ってしまう」だけではなく、一つ一つの「質が悪く」なってしまいます。年齢が高齢となれば受けるダメージは増え、蓄積されていきます・・・。と、いうことは排卵しても正常に成長することが難しく、受精ができなかったり、着床ができなかったり、妊娠したとしても流産したりするケースが多くなります。

~ 卵巣の年齢がわかるって最近聞くけど・・・なあに? ~

最近、「卵巣の年齢が知りたい」と言われる方がいらっしゃいます。原子卵胞は毎月約1000個ずつ、減っていくと先ほどお話ししました。原子卵胞から卵子を目覚めさせる過程を抑制する働きとして重要なホルモンが「AMH」です。「AMH」は年齢が若い卵巣からは十分に分必され、原子卵胞を目覚めさせ過ぎないように抑制しています。加齢によって排卵を抑制していた「AMH」の分泌が減ってしまうことで卵子の減少を加速してしまいます。「AMH」は卵巣に残された卵子の数が多いと高くなり、少ないと低くなると言われています。もちろん、年齢と共に「AMH」の値は低下します。この「AMH」の値を調べることが「卵巣の予備能力を知ること = 卵巣の年齢」となるのです。
尚、「AMH」は血液検査で調べることができます。

少し、むずかしいお話をしましたが、挙児希望がある方は二人だけの甘い生活をenjoyするのも良いですが老化を予防し、一日でも早い妊娠が良いのではないでしょうか?

参考文献
1)30代までに絶対知っておきたい卵子の話
2)AMHを知っていますか
3)一般社団法人日本生殖医学会HP

写真は今日の安達太良山


ふくしまにはほんとの空がある